
第1章 囲碁とは
★ 囲碁の戦い方と勝敗
囲碁とは、どのようなゲームかを、バトル・ゲームに例えて、大まかに説明しましょう。
「囲碁」は 「白石軍」と「黒石軍」とに分かれ、
「交差点がタテ・ヨコにつらなる盤」の上で、黒石軍と白石軍が、「交互」に、「碁盤目状に区画した線」の「交差点」に、
自軍の「兵士一人」ずつを、「占領地域」をできるだけ
「効率的により広く確保できる」ように「常駐」させていき、
この結果できあがる、「一ないしは数カ所の、自軍の兵士で囲んだ地域内」の、「交差点数の総合計の多さ」を競うゲームと言えます。
こまかな約束ごとや、さまざまな変化は省いています。
ゲーム上の約束や変化については、順をおって説明していきますので、いまのところは、まず、ゲームの大まかなイメージをつかんでおいてください。
図は9路盤と呼ばれる、練習用の盤を使っての、模擬戦の一例を示したものです。

実際の対戦では、もっと複雑な模様を描きます。
対戦の結果は、黒が囲んだ交差点の合計は十八、対する白の合計は十七。
したがって、黒の一点勝ちとなります。
なお、どちらにも囲まれていない点×印の8箇所を、ダメと言い、計算上無視します。
これまでは、バトル・ゲームに例えて説明してきましたので、ここで「囲碁の用語」に置き替え説明しましょう。
◆「囲碁」
一般的には「碁」、盤面を小宇宙になぞらえて「棋道」、古くは「棋」、「棊」など。
異称としては、「烏鷺」(ウロ、碁石の黒白を、烏と鷺になぞらえて)、「爛柯」(ランカ・柄がただれるの意。囲碁観戦の面白さのあまり、時のたつのを忘れ、木こりの斧の柄が腐ったという、故事から)、「手談」(手でする会話)など。
◆「白石軍」「黒石軍」
囲碁は、二人で対戦し、一方が白石を、他方が黒石を持ちます。
白黒いずれを持つかは、棋力(囲碁の実力の強弱を言い、段級位でランクづけられます)の上下により、上の者が白を持ちます。
実力が接近する場合は、抽選(通常は年長者が白石をにぎり、相手が奇数・偶数を言いあてる)で白黒を決めます。
◆「交差点がタテ・ヨコにつらなる盤」
碁盤の表面の様を言葉で表せば、このようになりますが、皆さんよくご存知の通りです。
碁盤は十九×十九の線でもって、碁盤目状に構成され、交差点の数が三百六十一ある盤を使います。
この他に、初心者や初級者の講習や練習用に、十三×十三線(13路盤)や九×九線(9路盤)の盤もあります。
◆「碁盤目状に区画した線」の「交差点」
碁盤のタテ・ヨコ線の交差点(交点)を「目(メ)」と言い、囲碁では、この目の上に碁石を打ちます。
この点が、区画されたマスの中にコマを置く、将棋やオセロとの違いです。
◆「交互」に「兵士一人」ずつを「常駐」させ
囲碁は、黒と白が自軍の碁石を一個(兵士一人)ずつ、交互に目の上に打ちながら進められます。
一旦打ち下ろされた石は、そこから動かせません(常駐)。
一旦打った石は、動けないという点と、個々の石は、基本的には全て同じ力を持つという点で、将棋と異なります。
囲碁は、潜在的には同質・同格である個々の石を、打ち手において、どれだけ、より有効に力を出させるかを競うゲームと言えます。
◆「占領地域」を「効率的により広く確保」
頁1の模擬戦図で示したように、自軍の石と盤端の線とで囲んだ地域(占領地域)、または自軍の石だけで囲んだ地域(占領地域)を「地」と言い、地の大きさは、占領地域内の目(交差点)の多少であらわされ、何目(モク)と数えます。
なお、占領地域が自軍の「地」として認知されるためには、そこを自力で統治できている、すなわち、「完全な独立生活圏を形成している」ことが必要です。
囲碁では、この「完全な独立生活圏の形成」を、その石の集団が「活き」ているか、いないかで判断されます。
「活き」については、後ほど詳しく説明します。
囲碁は、基本的には同じ力を持つ各石が、盤上に交互に投入され、ある時は離れて、ある時は近接して相対します。
したがって、一石ずつ交互にというルールがある以上、一挙に特定地域に機動部隊を投入するというような、戦術的電撃作戦はとりえません。
そのため、「地」を「効率的により広く確保」するためには、自軍の一石一石を、戦略上より有効な地点に選択配置するセンスや、接近戦においても負けないだけの、戦いのテクニックを、身につける必要があります。
◆「自軍の兵士で囲んだ地域内」
占領地域に同じです。
◆「交差点の数の総合計」
交差点の数とは、目(メ)の数を言い、地の広さをいう場合には、何目(モク)の地と言います。

市民みんなの囲碁大会(日本棋院支部主催)